ボリードとバーキンの違い

ボリードとバーキンの違い‐それぞれの誕生秘話

ボリードの名前の由来

『ボリード』は当初『ブガッティ』と呼ばれ、1923年に今の『ボリード』という名前に変更しました。当初高級自動車で有名なブガッティ社がエルメスに依頼して作らせていたバッグでした。そのため半楕円形の形はラジエターの形に似ているところから名前が付いたとも言われています。

『ボリード』の当時のコンセプトは「自動車で移動する際に中身が飛び出さないようにするためにファスナーを付けた」と言うものです。
そして今もエルメス社は「自動車に乗せるために生まれたバッグ」と言っています。

バーキンの特徴

一方『バーキン』は、今では誰もが女優のジェーン・バーキンから名前を取ったことをよくご存じでしょう。『ボリード』誕生よりさらに後ですが、1984年に発表され、このバッグの原型はエルメス初のバッグ「オータクロア」(1892年)と言われています。整理整頓があまり上手でなかったジェーン・バーキンとたまたま飛行機で隣同士に座ったのがエルメス5代目社長のデュマ氏だったのです。
彼女が陶製のバスケットに大量の物を詰めているのを見たデュマ氏が、バスケットの中身を全て入れられるバッグを作りましょうと提案したことが始まりです。そんな逸話から今日まで愛されるエルメスの『バーキン』が生まれたのです。
開口部が広く、間仕切りもないので荷物がたっぷり入り、トートバッグのような使い方も可能な機能的なバッグです。

ボリードとバーキンの違い-シチュエーション別の使い方

カジュアルからフォーマルまで

エルメスのバーキンやボリード、ケリーは、どれも長く使える一生ものです。バーキンやボリードなどのブランドによって使い方に差があるというより、素材や大きさによって似合うシリーズが変わってくると言ったほうがいいかもしれません。

たとえばどのラインでも年齢に関係なくお使いいただけると思いますが、あまり大きいサイズだと年配の方にはボリードでもバーキンでも持ちにくい可能性があります。

またバーキンは女優のイメージからも多少カジュアル感があるように思われがちですが、実際は素材や大きさ、合わせる洋服によってもエレガントになります。これはエルメスのブランド力というより、エルメスが本来持つ上品さがどのような年代の方でも、どのような着こなし(カジュアルからフォーマルまで)でも合うのです。はっきりとした色や濃い色でもエルメスだと下品にならず、いくつになっても使えるのです。たとえば白髪の女性で年配の方は、海外だとピンクや赤をお召しになります。

実はシルバーグレーは上品なピンクや赤に非常に似合う色なのです。ある時ボリードのルージュアッシュ(赤系)などをお持ちの銀髪の年配の女性がいらっしゃいましたが、非常にお似合いで洗練された雰囲気がありました。

幅広い年代に合うデザイン

バーキンはどの年代でも似合うでしょうが、やはりボリードの安定感は違います。年齢のふり幅はかなりあると言えるでしょう。バーキンが大きなサイズだと重さもあるということを考える必要があります。ボリードも同様ですが、ボリードはデザインが幅広い年代の方にお持ちいただけるタイプです。その意味からも万能なデザインはボリードだと言えます(もちろんお好みもあります)。

ボリードとバーキンの違い-カラーや重さ・使い方について

バーキンとUNOピンク

ボリード31とバーキンの比較

もともとジェーン・バーキンのために作ったバッグなので、カジュアルラインというイメージがあるバーキンですが、素材や色・大きさによっても違って見えます。
ただし、どのバーキンでも言えることは蓋を内側に入れるので防犯上厳しい場合があります。また35cmのバーキン(クレマンス)などは本体だけでかなりの重さがあるので、長期の長旅でそれこそ色々な物を放り込んでおきたい方には向いているでしょう。

一方でボリードは通勤やお食事、あらたまった場所などカラーやサイズを選べば間違いがありません。やはりファスナーでしっかり閉まるというのは防犯的にも優れています。ボリードとバーキンを重さで比べると30cm台では、すでにバーキンの方がかなり重い作りになっています。やはりバーキンが旅行や物を入れるトート的な使い方を前提に作ってきたということが理由でしょう。

ボリードは31であれば斜めがけにできますし、クロコダイルやオーストリッチなど、バリエーションもあります。お子様連れの場合でもファスナーが閉まり、ビジネスでは少し圧倒感を与え、それでいて書類や荷物がたくさん入る型崩れしないバッグはボリードの持ち味でしょう。


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